株式会社F様
株式会社Fは、東京都小平市小川町にて昭和43年に創業。
昭島市、東大和市、羽村市、埼玉県狭山市に工場4ヵ所を構え、直営店38店舗、代理店16店舗を擁するクリーニング店である。
同社では、品質にとことんこだわったプロフェッショナルなクリーニングを追求。大切な衣料の品質を損なうことなく、適切な判断で処理する「素材に合った正しいクリーニング」を理念として掲げている。
特徴であるひと手間を惜しまない徹底したプロ意識は、風合いを残すための「樹脂加工」やワイシャツの衿・カフスが縮まず仕上げられる「ストレッチプレス」、他店の追随を許さない「しみ抜き」の技術など、常にこだわりを実感できるサービスとしてお客様に喜ばれている。
今回は、同社が店舗受付作業の環境改善を目指して導入した、共生社の「EXプライヤー」とその専用針について、採用した際の経緯とその効果を伺った。
■ EXプライヤーの導入で頭を悩ませていた課題が一気に解決
─ 株式会社Fのクリーニングの特徴を教えてください。
弊社はなによりも品質を重視しています。
通常のクリーニング店よりも値段は高く設定している分、洗剤や糊、加工材などにコストをかけて、「ストレッチプレス」による仕上げなどのひと手間をかけています。
「素材に合った正しいクリーニング」という理念を掲げていますので、お客様にとって大切なお洋服を一日でも長くお召しいただけるということを常に考えて、自社内でもさまざまな提案や工場の改善などを行っています。
─ 工場の機材や店舗で使う計器・備品も、かなり吟味していらっしゃるんですか?
はい。今回のプライヤーに関してもそうです。
─ 「EXプライヤー」を導入したきっかけは何ですか?
実はいままで使っていたプライヤーでは大きすぎて女性の手に合わず、しっかり留めるように徹底していても、針が浮いてしまってお客様の衣類に傷をつけてしまう懸念がありました。
従業員のほとんどは女性ですから、握力がないと大きすぎるプライヤーはかなりの負担になっていたんです。春などの繁盛期に酷使していると、腱鞘炎を起こすこともありました。
お客様へのサービスは言うまでもないですが、弊社では従業員のケアも昔から気を遣っていて、腱鞘炎を起こすような部分は変えていかなくてはならないですよね。それで、どうしようかと悩んでいるときに共生社さんから「EXプライヤー」をご提案いただきました。
EXプライヤーと専用針
─ ちょうどいいタイミングにご提案があったということですか。
そうですね。
この問題にはすごく頭を悩ませてしまって、針が悪いのかプライヤーが悪いのか、いろいろと試行錯誤していたのですが、「EXプライヤー」とその専用針を初めて見たときに「小さくて軽いし、針の留めあともしっかりしている」という印象を受けました。それで、実際に取り寄せて現場の人に使ってもらったら、現場からも「これはいい」との評価が返ってきたんです。
従来使っていたプライヤーでまだ使えるものもあったし、ちょうど繁盛期にさしかかって慌ただしくなる直前でしたが、思い切って全店舗で交換しました。
■ とにかく小さくて軽くなったのが一番のメリット
─ EXプライヤーを握った時の感覚は以前のものとは違いましたか?
誰でもそうですけど、最初は使い慣れているもののほうがいいと思うかもしれません。
ですが、EXプライヤーの小ささと軽さは明らかに以前のものとは違いました。これは現場で使う道具として、負担軽減が期待できるだろうと思わせる感触がありましたね。
従来の大きなプライヤーでは手が小さいと柄の中心あたりを握ってしまって握力が余計に必要になるんです。そうすると腕の筋を痛めることになってしまいますよね。その点、EXプライヤーは握ってすぐにしっくりきました。長く握っていても楽です。
─ 留めた針の形状が交差していて頑丈そうですが、その点はいかがですか?
弊社では「急ぎ仕上げ」のタックが以前使っていた針の幅と同じくらいのサイズだったんです。留めた針の間にタックが入ってしまうと、タックが取れてしまう可能性があったのですが、EXプライヤーでは針の幅が短くなった分しっかり留められますから、その心配もなくなりました。
タック取れは商品の紛失につながるのでとても怖いことです。その心配が全くなくなったのはうれしいですね。
以前はタック取れが起きないように2度打ちも指示していたのですが、タックが多くない限り1回打ちで済むようになりました。
EXプライヤーの針は留めたあとの形状が
交差している(写真上)
─ タック打ちに関して余計な心配をしなくていいのは、ずいぶん楽になりましたね。
おっしゃる通りです。
全店舗で従業員が110人くらい在籍してますが、繁盛期は商品数が3倍くらいになります。
店舗によって違いますが、一人でかなりの数のタックを打たなくてはならなくなるので、こういったトラブルのもとを未然に防ぐのは重要なことなんです。
商品の指示を確認するためのタックは種類が多く
タック取れが1つでもあると命取り
─ 実際に使っている従業員の方々からの感想はいかがでしたか?
ほとんどの店舗で、「とにかく小さくて軽くなった」と高評価をもらってます。お店にとっては1番のメリットですね。
1店舗だけ、針を入れるときにこれまでと違う構造なので扱いづらいというのがありましたが、いずれ慣れるだろうと思っています。
また以前は針が外れて浮いている場合など、工場でもう一度ポケット検査をする際に針で爪を怪我することもありました。
これは危険ですから、従業員に「打ったあとは必ず確認してください」と徹底していて、針が引っかかるようだったら押し込むようにしてたんですが、その手間も無くなったので、確実に生産性は向上しています。
─ なるほど。シンプルな製品ですが影響は大きいですね。
はい。弊社では常にこういう細かいところでの生産性というのを気にしていますので、ひとつひとつにこだわって改善していくという一環の流れの中では、良い製品を導入できたんじゃないかと思ってます。
「とにかく小さくて軽くなった」と高評価をいただいた「EXプライヤー」
■新しいことに取り組むことで得られた環境改善
─ 少し話を変えて、コストについて。以前使っていたものと比べていかがですか?
安くなってますね。ありがたいです。
本体は30%くらいの削減。針のような小さなものでも割合はけっこう大きくて、従来品から22%ほど削減できてます。
さきほども申しましたが、針も1回打ちで済むようになって使う量が減りましたから、総合するとさらに削減できていると思います。
消耗品はランニングコストで積み重なっていきますから、おかげさまで助かっていますよ。
針は一回打ちで済むようになったので
ランニングコストも大幅削減
─ ちなみに、繁盛期直前に従来品から一新することに抵抗はなかったのですか?
弊社ではバイザーさんと従業員が普段からコミュニケーションを密にして良い関係を保ってくれていて、このプライヤーに関しても事前に共有していた課題でした。
「EXプライヤー」は実際にテスト導入した店舗からの良い評価も伝えていたので、一新する際にも摩擦みたいなものはなく、むしろ繁盛期前に使い勝手の良いものに変えられるメリットの方が大きかったですね。
会社全体で細かいところから見直し、改善をすすめていく中で「これまでやってないことをやってみよう」という勢いがあったのもプラスに働いてます。
─ 新しいことを恐れず推し進められる土壌があったんでしょうね。
不都合なことがあればすぐに解決するというのが信念としてあって、そういう部分はしつこいくらいに社内でやり取りしますからね。バイザーさんと現場の方が前向きで、こういった急遽決まるような判断にもスムーズに対応してくれました。
そもそも「EXプライヤー」は料金的にも優しいし、機能的にも満足できるものなので、多くの面で改善できる要素がありましたから、やっぱり使っている人が一番わかっているというのもありますよね。
唯一、「EXプライヤー」という商品に疑問があるとすれば「どうしてみなさん使わないのかな?」ということです。
─ なるほど、多くの面で改善が得られたようで本当に嬉しい声を聞かせていただきました。最後に総合的な評価をお願いいたします。
作業環境の隅々まで目を通して改善していかなければ生産性は向上しませんし、なによりも現場の人が困るというのが一番怖いことで、それが全てにつながってくると思っています。そういう意味で「EXプライヤー」は作業環境の改善に大きく寄与してくれました。
それと、サポートに関しても共生社さんはほんとに気持ちよく対応してくださるので助かっています。私たちもそうですが、クリーニングでお預かりしたものはアフターフォローまで大事だと思っています。
共生社さんとお互いアフターフォローができて、いい関係を保てたらいいなと思っています。
株式会社F 柿沢様、本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。